GUNDAM 来たるべき未来のために


GUNDAM 来たるべき未来のために

本展は、「ガンダム」に強く感化されて育った「ガンダム世代」とも言われる'60〜70年代生まれの若手アーティスト15組(23人)による作品展です。絵画、彫刻、写真、書、映像などの各分野で注目を集める彼らの作品によって、『機動戦士ガンダム』の物語に込められたメッセージを「戦争」「進化」「生命」という3つのキーワードから再考しようとするものです。

という展覧会を観てきました。
私はGUNDAMは見てなかったんですが、最初のGUNDAM世代に辛うじて属する世代なんだろうと思います。
ひとつ下の学年にガンプラのコレクターがいましたが。
でもなかなか面白かったです。予想以上でした。

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考えてみると宗教芸術みたいなものかもしれないなあと思いました。


たぶんそこには"GUNDAM教信者"だけが分かる“符号”がちりばめられているのだろうと思う。彼ら"GUNDAM教信者"が、どのような世界観や生死観をそこに見ていたのかをかいま見たような気がして興味深かった。


例えば、キリスト教芸術を異教徒である私たちが見るとき、その表面的な造形性だとかについて評したり、語ったりすることができても、その主題の意味について本当のところは「わからない」のだと思うのです。もちろん、その歴史や背景を学べば、理解することはできる。でもそれは異教徒としての第三者からみた「理解」であって、キリスト教の文化のなかにある彼らの思いを本当に「わかる」こととはちがうのだろう思います。それでも、その信仰と、その信仰から築き上げられた芸術との関係を「理解」したとき、ある種の羨望に似た感情を自らが抱いていることに気づくのです。


それと同じようなことが本展覧会にも言える。
ひょっとして“宗教芸術みたいなもの”じゃなくてほんとに宗教といってよいものなのかも(宗教の定義は知りませんが)。だって世界観とか生死観とか-それって宗教そのものではないですか。展覧会の出口近くの作品群などまさに“イコン”ですしね。日本人ってときどき無宗教のヒトが多いような言われ方をすることがあると思いますが、むしろ逆に信心深い国民性なんじゃないかと最近思います。宗教と無縁の様な人々でも初詣でにはでかけます。こまったときは神頼み。一人ひとりが自分の神をもっている。いわば自然神、それは原初の宗教の在り方。「多くの日本人は、無宗教のようでありながらある程度以上のモラルを持っていることを欧米の人々が不思議に思っている」というようなことをどこかで読んだことがありますが、それってこんなところからきているのではないでしょうか。八百万の神、そこに新たに“ガンダムの神”が加わった、そういうことなんじゃないでしょうか。

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